おはなしのね。制作実例⑥

絵本づくりのお手伝い「おはなしのね。」を通して制作協力した作品のお知らせを久しぶりにお届けできることとてもうれしく思います。

このたび完成しているのは『ナイスの伝言: message from nice』
おはなしのね。としては、はじめての電子書籍版絵本です。

ぜひ読んでみてください!

絵本の語り手は、犬のナイス。
その「おかあさん」で絵本制作Tさんとは、ご縁からのご縁。3月にお会いして制作が始まり、5月のナイス17才の誕生日頃の完成に、当初、照準をあてていましたが、電子書籍での刊行準備等もあり満を持しての出版。

陽が極まり、七夕というこの特別なシーズンは、人間の言葉をもたぬたいせつな存在との会話を叶えるというこの絵本に、結果ぴったりだったように感じます🌈

絵本制作のスタートは、ローレン氏による「アニマルコミュニケーション」でのナイスとの対話。その記録をTさんよりお預かりし、絵本のかたちに整えました。とはいえ電子書籍ですから、ページ数などにほとんど縛りがないなどその特性を生かして、場面場面の心地よさを重視しました。

またローレン氏が対話で伝え、それを日本語翻訳なさっている流れを「ナイスの生の言葉」とするならば、それはなるべく加工したくありません。

でも、不思議と、その直前に、久しぶりに、実家でわたし自身が一緒に育った大切な愛犬たちについて想いをはせていたことがあり、彼らからのサポートを感じながら、ほんのわずかな時間ではありましたが、ナイスとも繋がれたような気がしたことも事実。そこで、より「彼(ら)らしさ」を守れる選択があればしていったような気がします。

初稿をTさんに戻す際にも、word原稿ではなく、canvaにて電子書籍のイメージでページ割+文字配置をしてお見せしました。

これがすでに完成版の雰囲気の土台になっていると感じますが、事前に目指す絵本の雰囲気もTさんとすりあわせをしていたのでスムーズでした。

その際に見えていたのは、絵本というより言葉の本という景色。絵は、ナイスの言葉(文)に寄り添うカットを何点か、という想定に。イラストレーターに依頼するなどTさんのチームが動き、あがってくるラフスケッチにわたしからも意見。

電子書籍なので、スクロールやタッチでのページ操作。本のページを指でめくる行為との違いは大きくて、このナイスの絵本が、ということもあるかもしれないけれど、その一瞬の場面の心地よさや自然さが強く求められるように感じました。場面ごとのインパクトとかいうことよりも。文章校正(改行箇所、言葉遣い、ひらがなでいくか漢字にするかなど)も同様です。

後半のわたしの役割は、この場面に起きる風みたいなものを、確認していくことだったように感じます。

今回、Tさんがナイスにとってそうであるように、この絵本全体の「おかあさん」として、ほんとうに力強く進行して下さっていたことを感じます。言葉選びなどといった難しい判断も、感性を繊細につかいながらしっかりとしていってくださいました。ナイスと、ナイスへの愛を指針にして。


Tさん、チームの皆さん、そしてナイス! 絵本の完成おめでとうございます。

そしてミミ、ロビン、クッキーも、ありがとう🐶





ほんとね。

絵本童話作家・詩人の大川久乃による website「ほんとね。」です