おはなしのね。制作実例③

この冬は2タイトルの”たいせつなひとにささげるえほん”byおはなしのね。が完成を迎えています。まずはこちら、夏前よりチーム制作をすすめてきたえほんです。タイトルは……!

『いっぽといっぴょう』

制作はチーム高口。練馬区議会議員の高口ようこさんと仲間たちによる絵本です。

出逢ったときはフリーライターのワーキングママ、地元に根づいた独自の活動を広くしていた彼女ですが、今年の夏に久しぶりにゆっくり話したのは実に5年ぶりでした。そこで互いの”今のこと”をざっくばらんに会話するなか、それぞれの実感から「なんで政治って遠いんだろう」と。そこから「絵本作ろう!」と想いがたちあがり、チームを募り、2回のチームMTGを経、制作の分担が明確になったりしていきながら、lineグループ機能を駆使し制作を進めた企画です。

先日開催された区政報告会において、初・お披露目を果たすことができました。その様子を含めて、朗読動画(全頁みれます。メンバーの感想動画も)と制作レポートを高口さんがまとめて紹介してくれているので、ぜひぜひご覧ください~👇

個人的ないちばんの学びはチームでも絵本は作れる!という手ごたえ。

あと、「リーダー」って言葉はもうほとんど過去のワードかも、ということ。

作家や政治家を「先生」と呼ぶその価値観も、わかるけれど、もうほんとはいらないな。そう呼ぶことで表したい敬意はあるけど、それを呼び方にして捧げずにはいられないとき、それは(呼ばれる側ではなく)呼ぶ側の安心感にとって必要なだけなんだなあって。

高口ようこを突き動かす想いと、政治が遠いと思ってしまう感覚のこと、政治のことは話題にしにくいと感じる心理的背景にあるもの・・・高口さんの願いをメンバーで改めて共有して、それぞれの暮らしの実感をとにかく打ち明け合った最初の会議は、中学生のときに感じた熱さを思い出した。(わたしは中学生時代「共感こそが人生」とか言っていた気がする)

絵本にどう落とし込むか・・・それを見据えると躊躇しそうになるものだけど、ここはスピードを加速したいポイントで、とにかく言葉出しをメンバー全員への宿題に。そうして集まった「詩のかけら」を、1冊の本にすべく流れを整え、提案。

ここはどういうことかとか必要なやりとりをし、高口さんにとって違和感のない言葉にしてほしいと、最後まとめてもらいました。

絵はキムラメグルさん。KOMOちゃん。

チーム高口メンバーは香さん、ちあさん、SATOMIさん、ゆかさん。

風の時代は誰もが表現者になる時代なのだとおもうけれど、表現といったときに思い浮かべる姿が、ステレオタイプのものになってはいないか? 気をつけたい。

高口さんのありかた、香さんのぜんぶことばにしてくれる勇気と愛情、ちあさんの静けさに繋がる知恵とたのしいスパイシーさ、SATOMIさんの澄んだやさしさと思いやりの深さ、ゆかさんの有能さ謙虚さ美しさ。

皆さんの生き方を垣間見れて、表現というものの広さをまた知ることができました。


さて高口さんに「おはなしのね。」での制作についてアンケートに答えてもらいました。

*****

Q.どのようなきっかけでえほん制作をしようと思い、依頼しましたか?

A.

久乃さんとお話するなかで、伝えたいことを、絵本なら伝えられると思い。

Q.制作はどのような点が大変でしたか?
A.

正解がないので、これでいいのか?伝わるのかなあ?という心配や不安。
それも含めて"創作"なのかな、と今は思います。

Q.完成してみて、いかがでしたか?
A.

朗読会をやってみて、はじめてのひとによんでもらって伝わっているのを実感でき、よかった!と今じわじわ実感があります。

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「それも含めて”創作”なのかな」という言葉、なんかうれしいひとことでした。
そうなんだと思うんですよね。

議員というお仕事の場で様々よっぽどこわいおもいもするだろうに、お披露目前の不安げな様子、完成したんだけど迷っている姿が、あぁ高口さんなんだなあって思ったりしたわけです。自己表現の絵本ではない。この企画の本気さは終始一貫。

と、理解してたつもりだけど、そうだよね、やっぱそうだよね、創作はこわい。表現してさいしょに見てもらうときはふるえる。でも、その経験ではぐくめる信頼があると思います。

「いっぽ」を信じるちからになるんだと思います。

やっぱり表現はいい。創作はいい。あなたがあなたにかえるじかんとしての提案。表現をしよう。それぞれの、表現を。

うん。かなうならばいつか、「高口ようこ・文」なり「高口ようこ・作」の、深い泉からの創作も見てみたいな、立ち会ってみたいな~と改めて興味津々!

ひとまず、チーム高口、メグルさん、komoちゃんも、絵本完成おめでとうございます。そしてほんとうにありがとうございました!

この絵本を通して、どんな「いっぽ」の波紋がひろがるか楽しみたのしみです。

絵本は1,000円で販売され、高口ようこさんの支援に繋がります。

皆さんどうぞよろしくお願いいたします。


「おはなしのね。」チーム制作も承ります。値段などはご相談ください。


ほんとね。

絵本童話作家・詩人の大川久乃による website「ほんとね。」です